1級ボイラー技士を受験するみなさん、こんにちは。
この記事では 「参考書なし・AIと過去問で合格!」 を合言葉に、過去問の解説を行なっています。
ここでは AI猫であるジピ太が過去問を1問ずつ解説して、難しい内容も 小学生でもイメージできる言葉でやさしく説明するので合格を目指して共に頑張りましょう!
今回扱うのは 令和6年後期の第1問〜第10問です。
早速解いていきましょう!
第1問
問題
熱及び蒸気に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 飽和水の蒸発熱は、圧力が高くなるほど小さくなり、臨界圧力に達するとゼロになる。
- 固体壁の表面とそれに接する流体との間の熱移動を熱伝達といい、液体の沸騰又は蒸気の凝縮のように相変化を伴う場合の熱伝達率は極めて高い。
- 過熱蒸気は、飽和蒸気を更に加熱し、蒸気温度が飽和温度より高くなったもので、過熱蒸気の温度(℃)を同じ圧力の飽和蒸気の温度(℃)で除した値を過熱度という。
- 物体の圧力をP(Pa)、比体積をv(m3/kg)、1kgの物体の内部エネルギーをu(J/kg)とすると、物体の比エンタルピh(J/kg)は、h=u+Pvで表される。
- 飽和蒸気の比体積は、圧力が高くなるほど小さくなる。
正解:3

過熱度は「過熱蒸気温度-飽和温度」で引き算するにゃ。
問題は「割り算」と書いてあって誤り。
👉 覚え方:「過熱“度”=温度の“差”」だにゃ。
第2問
問題
次のような仕様のボイラーに使用される燃料の低発熱量の値に最も近いものは、1~5のうちどれか。
蒸発量—–12t/h
発生蒸気の比エンタルピ—–2700kJ/kg
給水温度—–25℃
ボイラー効率—–89%
燃料消費量—–900kg/h
- 34.8MJ/kg
- 36.2MJ/kg
- 38.9MJ/kg
- 40.2MJ/kg
- 42.4MJ/kg
正解:3

使う公式
- ボイラー効率=(熱出力/燃料の入熱)×100
- 熱出力=蒸発量×(蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)
- 燃料の入熱=燃料消費量×燃料の低発熱量
立式
効率={蒸発量×(h蒸気-h給水)/(燃料消費量×低発熱量)}×100
数値代入
89={12000×(2700-25×4.187)/(900×低発熱量)}×100
解く
低発熱量=38881.27 kJ/kg ≒ 38.9 MJ/kg
25℃の水の比エンタルピは 25×4.187≒105 kJ/kg にするだけで、
あとは式へ代入→計算にゃ。
第3問
問題
炉筒煙管ボイラーに関するAからDまでの記述のうち、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A ウェットバック式は、燃焼ガスが炉筒の内面に沿って前方に戻る方式である。
B ドライバック式は、後部煙室が胴の後部鏡板の外に設けられた構造である。
C 外焚き式のボイラーであり、一般に径の大きい波形炉筒と煙管群を組み合わせて効率を高めている。
D 主に据付け場所で組立てを行うものが多く、パッケージ形式は少ない。
- A、B
- A、B、C
- A、B、D
- B、C
- C、D
正解:1

ウェットバック:燃焼ガスが“戻る”タイプ。
ドライバック:後部煙室が胴の外にある。
“外焚き”じゃなく内焚きが基本、据付はパッケージ形式が多いにゃ。
覚え方:「ウェット=戻る・ドライ=外に室」。
第4問
問題
貫流ボイラーに関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 一連の長い管系で構成され、給水ポンプによって一端から押し込まれた水が順次、予熱、蒸発、過熱され、他端から過熱蒸気となって取り出される型式のものがある。
- 負荷変動により大きな圧力変動を生じやすいので、給水量や燃料量に対して応答の速い自動制御を必要とする。
- 超臨界圧ボイラーでは、ボイラー水が水の状態から加熱され、沸騰状態を経て連続的に高温高圧蒸気の状態になる。
- 水管を、垂直以外にも水平や斜めに配置することができる。
- 給水量と燃料量の比が変化すると、ボイラー出口の蒸気温度が激しく変化する。
正解:3

超臨界圧は“沸騰”という段差がなく、水から気体へ連続的に変わるにゃ
(泡がぶくぶく出る“沸騰”なし)。
覚え方:「超=段差なしでスルスル気体」。
第5問
問題
ボイラー各部の構造及び強さに関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 胴板を薄肉円筒として取り扱う場合、長手方向の断面に生じる周方向の応力は、周方向の断面に生じる長手方向の応力の1/2倍となる。
- 鏡板は、胴又はドラムの両端を覆っている部分をいい、煙管ボイラーのように管を取り付ける鏡板は、特に管板という。
- 皿形鏡板は、同材質、同径、同厚の場合、全半球形鏡板より強度が低い。
- 炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されているため、炉筒板内部に圧縮応力が生じる。
- 炉筒には、波形炉筒と平形炉筒の外周に補強リングを取り付けたものがあるが、最近では、ほとんど波形炉筒が用いられている。
正解:1

薄い円筒では、周方向応力(フープ応力)は長手方向の2倍になるにゃ。
問題文は逆だったね。
覚え方:「フープは2倍!」で覚えるにゃ。
第6問
問題
空気予熱器に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 鋼板形の熱交換式空気予熱器は、鋼板を一定間隔に並べて端部を溶接し、1枚おきに空気及び燃焼ガスの通路を形成したものである。
- 再生式空気予熱器は、金属板の伝熱体を円筒内に収め、これを回転させ、燃焼ガスと空気を金属板に交互に接触させて伝熱を行うものである。
- ヒートパイプ式空気予熱器は、金属製の管の中にアンモニア、水などの熱媒体を減圧して封入し、高温側で熱媒体を蒸発させ、低温側で熱媒体蒸気を凝縮させて、熱を移動させるものである。
- 空気予熱器を設置することにより燃焼効率が上がり、過剰空気量が少なくてすむ。
- 空気予熱器の設置による通風抵抗の増加は、エコノマイザの設置による通風抵抗の増加より小さい。
正解:5

空気予熱器は通風抵抗が大きめ。エコノマイザより小さいは×。
予熱で燃焼が元気になって、過剰空気は減らせるのは○だよ。
覚え方:「予熱は強い=抵抗もそれなり」。
第7問
問題
ボイラーの附属品及び附属装置に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 主蒸気弁は、蒸気の供給開始又は停止を行うため、ボイラーの蒸気取出し口又は過熱器の蒸気出口に設ける。
- 減圧装置は、発生蒸気の圧力と使用場所で必要とする蒸気圧力の差が大きいとき又は使用場所での蒸気圧力を一定に保持したいときに用いられる。
- 沸水防止管は、蒸気と水滴を分離するためのもので、低圧ボイラーの蒸気室に設けられる。
- バケット式蒸気トラップは、蒸気とドレンの温度差によって作動し、蒸気使用設備内にたまったドレンを自動的に排出する装置である。
- 長い主蒸気管には、温度の変化による伸縮に対応するため、湾曲形、ベローズ形、すべり形などの伸縮継手を設ける。
正解:4

バケット式トラップは**密度差(浮力)**で働くタイプだにゃ。
温度差で働くのはサーモスタティック系だよ。
覚え方:「バケット=浮いて仕事=密度差」。
第8問
問題
圧力計及び流量計に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 容積式流量計の一つとして、円形のケーシングに、オーバル歯車を2個組み合わせて配置したものがあり、この形式の流量は歯車の回転数に比例する。
- ブルドン管圧力計は、ブルドン管に圧力が加わると管の円弧が広がり、歯付扇形片の動きで小歯車が回転し、指針が圧力を示すもので、その指示はゲージ圧力である。
- ブルドン管圧力計は、通常、水を入れたサイホン管を胴又は蒸気ドラムと圧力計との間に取り付け、ブルドン管に蒸気やボイラー水が直接入らないようにする。
- 面積式流量計は、テーパ管の中を流体が下から上に流れると、フロートが流量に応じて上下し、流量がテーパ管とフロートの間の環状面積に比例することを利用している。
- 差圧式流量計は、流体が流れている管の中にベンチュリ管又はオリフィスなどの絞り機構を挿入すると、流量がその入口と出口の差圧の二乗に比例することを利用している。
正解:5

差圧式流量計は、流量が差圧の“平方根”に比例だにゃ。
「二乗に比例」は×。
覚え方:「差圧は√(ルート)で流量」。
第9問
問題
ボイラーにおける燃焼安全装置の火炎検出器に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 火炎検出器は、火炎の有無又は強弱を検出し、電気信号に変換するもので、あらかじめ、定められた条件に適合する火炎だけを検出することが必要である。
- フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用したもので、形状・寸法が小形であり、ガンタイプ油バーナなどに多く用いられる。
- 整流式光電管は、光電子放出現象を利用したもので、油燃焼炎の検出に用いられるが、ガス燃焼炎には適さない。
- 紫外線光電管は、光電子放出現象を利用したもので、炉壁の放射による誤作動のおそれがあることから、油燃焼炎には適さない。
- フレームロッドは、火炎の導電作用を利用したもので、ロッドの使用温度による制約があることから、点火用のガスバーナに多く用いられる。
正解:4

紫外線光電管は感度がよくて誤作動もしにくく、油・ガスどちらの炎でもOKにゃ。
「油には不適」は×。
覚え方:「UVは万能センサー」。
第10問
問題
ボイラーの自動制御に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- シーケンス制御は、あらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を、順次、進めていく制御である。
- フィードフォワード制御は、目標値と制御量の偏差によらず、外乱などの情報に基づいて操作量を決定する制御である。
- 積分動作は、I動作と呼ばれ、制御偏差量の時間積分値に比例した大きさで操作量を増減するように働く動作である。
- 比例動作による制御では、比例帯の幅を小さくすると比例感度は高くなるが、余り小さく設定するとオン・オフ動作に近くなる。
- 微分動作は、P動作と呼ばれ、制御偏差が変化する速度に比例して操作量を増減させるように働く動作である。
正解:5

微分動作はD、比例はP、積分はI。
Dは「変化の速さ」に反応するにゃ。問題は「微分=P」と言ってて×。
覚え方:「PID=P・I・D(比例・積分・微分)」。
まとめ暗記リスト

- 第1問(熱・蒸気の基礎)
「過熱度=過熱蒸気温度 − 飽和温度」だにゃ。 - 第2問(燃料の低発熱量計算)
「効率=出力÷入力」で1本立式にゃ。 - 第3問(炉筒煙管ボイラー)
「A=ウェットバック、B=ドライバック」だにゃ。 - 第4問(貫流ボイラー)
「超臨界は沸騰なしで蒸気になる」だにゃ。 - 第5問(ボイラー各部の構造と強さ)
「円筒の周方向応力=長手方向の2倍」だにゃ。 - 第6問(空気予熱器)
「空気予熱器の抵抗>エコノマイザ」だにゃ。 - 第7問(附属品・附属装置)
「バケット式は密度差で動く」だにゃ。 - 第8問(圧力計・流量計)
「差圧式=平方根に比例」だにゃ。 - 第9問(燃焼安全装置の火炎検出器)
「紫外線管=全部の炎に使える」だにゃ。 - 第10問(自動制御)
「D動作=偏差の変化速度に比例」だにゃ。
終わりに
さて、1級ボイラー技士の過去問10問にチャレンジしてみて、手応えはどうでしたか?
最初は間違ってしまうのが当たり前。
繰り返し過去問を解く勉強方法こそ合格への最短ルートです。
大切なのは「間違えた問題をそのままにせず、理解できるまで繰り返すこと」。
この積み重ねで知識が定着し、本番試験でも落ち着いて正解を導ける力がついてきます。
著者自身も繰り返す勉強法で、これまでいくつもの資格試験に合格してきました。
焦らず、一歩ずつ一緒に頑張ってい来ましょう!
次の11〜20問も分かりやすく解説するので、ぜひ続けて挑戦してくだいね。
※本記事の問題は過去問.comを参考に構成し、解説は独自にわかりやすくまとめています。
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